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インフルエンザ対策 インフルエンザ予防 ニュース
新型インフル 危機感強める人工透析機関…院内感染防止
2009年09月08日(火) |
秋の大流行が懸念されている新型インフルエンザ対策で、重症化リスクが高い「人工透析患者」を診察する医療機関が危機感を強めている。透析患者は1日おきに医療機関で治療が必要なため、外出が避けられない。しかも、医療機関には新型インフルの感染者がいる可能性もあり、院内集団感染のリスクがある。隔離された透析施設や、透析ができる設備を持った入院病床の整備など、透析患者が安心して治療を受けられる体制づくりが急務となっている。 腎不全など腎機能が低下している透析患者は、免疫力が落ちているため、感染症が死因の2位を占める。新型インフルが原因で死亡したと考えられる国内の11人のうち2人は透析患者だった。 国内の透析患者は約28万人。狭い空間で複数の患者が同時に治療を受けるため、日本透析医学会は感染が疑われる患者をできるだけ離すなどの措置を会員医師に求めてきた。 東京都練馬区の透析を行う診療所「練馬桜台クリニック」。仕切りのない部屋に50床のベッドが並ぶ。150人の患者が入れ替わりで訪れ、常に満床状態だ。 同クリニックでは新型が流行入りした8月、新型インフル対策として感染患者が個室で透析を受けられる部屋を3部屋用意した。 医療機器は正常に動いているか、患者の容体に変化はないか…。スタッフは透析中、患者から目が離せない。部屋が増えれば、専門スタッフを配置しなければならず、人件費がかさむ。 同クリニックの永野正史院長は「患者が新型にかかったからといって断るわけにはいかない。しかし、設備や人件費は病院側の負担。国や自治体の補助があれば…」と漏らす。 厚労省は4日、透析患者を含めた持病のある人をワクチン接種の優先対象とする方針を示した。しかし、永野院長は「ワクチンを接種しても平均5割の人が発症する可能性がある」と警鐘を鳴らす。 新型インフルに感染し、重症化した透析患者の受け入れも問題だ。透析施設を持った入院ベッドに限りがあるからだ。 「流行がピークを迎えたら入院の必要がある重症患者が施設の整った病院に集中してパンクする恐れがある」。名古屋市中村区の透析診療所「増子クリニック昴」の山崎親雄(ちかお)院長はそう懸念する。 入院施設のない同クリニックは、透析を受けながらの入院も可能な約100床のベッドを備える増子記念病院(同区)を母体に持つ。入院の必要な重症患者が出た場合、同病院に搬送することになっている。しかし、流行のピーク時に患者が押しよせれば、ベッドや人工呼吸器が足りなくなる可能性は高いといい、山崎院長は「想像もしたくない事態だ」と漏らす。 医療体制の整備について日本透析医学会の感染調査小委員会委員長で河北総合病院透析センターの篠田俊雄センター長は「地域の事情に合わせ、入院が必要な重症患者の増加に備えたネットワークづくりが必要だ」と指摘している。 |