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インフルエンザ対策 インフルエンザ予防 ニュース
短時間で子供が呼吸困難に 特異な症例相次ぐ 新型インフル
2009年09月12日(土) |
新型インフルエンザに感染した子供の呼吸状態が短時間で急激に悪化する症例が相次いでいる。持病のない健康な子供でも、高熱が出てから数時間後に呼吸困難に陥った例もあり、小学生の患者に多くみられる。季節性インフルにはみられない新型特有の症状として、医療機関が警戒を強めている。 ■元気だったのに… 「朝になっても、熱が下がらないんですが…」 8月上旬の朝。小学4年の男児が、母親に連れられて東京都文京区の診療所「森こどもクリニック」を受診した。 男児は前日夕方、39.7度の発熱で同クリニックを受診。子供が高熱を出すことはよくある。森蘭子院長は解熱剤を処方し、男児は一度、帰宅したが、高熱が治まらないという。 男児は待合室で比較的元気だったが、新型感染が疑われたため、別室で診察を待っていた約30分の間に容体が急変した。森院長が別室に入ると、男児の顔は真っ青で、話ができない状態。重度の呼吸困難を起こしていた。隣にいた母親は男児の弟と絵本を読んでおり、変化に気付かなかった。 男児の急変に驚いた母親は「朝は元気だったのに…」と声を詰まらせた。森院長は「30分であそこまで容体が変わった例を季節性インフルで見たことがない」と説明する。 男児は総合病院に搬送され、回復した。森院長は「もし、容体急変に気付くのが遅れていたら、最悪の事態を招いていた可能性もあった」と振り返る。 新型インフルが拡大を続けた今月上旬、森院長は都内で開かれた小児科医の勉強会で男児の症例を報告した。すると、同席した小児科医のうち3人が同じような症例を経験していたことが分かったという。 ■小学生に集中? 東京都府中市の都立府中病院でも同様の症例が出ている。 同病院では7月下旬以降、新型と診断された子供のうち、呼吸状態が24時間以内に悪化して入院した子供が8人に上った。季節性では乳幼児が重症化するケースが多いが、患者の年齢は3~13歳で半分以上が小学生だった。 同病院小児科の寺川敏郎医長は、「長く医師をやっているが初めての経験。重症化する子供が小学生に集中している理由も分からない」と話す。 入院した子供のうち4人にぜんそくの持病があったものの、ほかの子供にはなかった。 ■目を離すな 子供が新型に感染した場合、保護者は何に注意すればいいのか。 日本小児科学会会長で横浜市立大小児科の横田俊平教授によると、呼吸状態が悪化している子供には、問いかけに答えることができない▽呼吸が異常に速い▽鼻がビクビクする-といった症状が出るという。 「子供のインフルといえば脳症が心配されてきた。しかし、新型では呼吸状態が急激に悪化する子供もみられる」と横田教授。「季節性、新型を問わず、子供がインフルにかかったら保護者は目を離さないことが重要だ。高熱だけなら慌てる必要はないが、呼吸の状態が悪い場合には医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。 |